面接で「これまでに直面した最大の課題は何ですか?」と聞かれたらどう答えるか
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面接で「これまでに直面した最大の課題は何ですか?」と聞かれたらどう答えるか

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面接でよくあるこの質問──「これまでに直面した最大の課題は何ですか?」

これは単なる過去の苦労話を聞きたいわけではありません。この質問にどう答えるかで、あなたの問題解決力、思考の深さ、成長意欲、そしてそのポジションにふさわしい資質があるかどうかを面接官は見極めようとしています。

実はこの質問は、あなたの強みや価値観をアピールできる絶好のチャンスでもあります。構成さえ工夫すれば、たとえ職務経験が浅くても、自分の力をしっかり伝えることが可能です。

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なぜこの質問がされるのか?

「最大の課題」を尋ねることで、面接官は以下のポイントを評価しようとしています。

  • 困難にどう向き合い、対処したか(課題解決力・冷静さ)
  • 自分の役割をどう認識していたか(責任感・主体性)
  • 結果から何を学んだか(自己成長・振り返り力)
  • その人の価値観や判断基準は何か(カルチャーフィット)

さらに、「そのポジションに必要とされる能力(例:リーダーシップ、チームワーク、技術力など)」を発揮した経験が語られるかどうかも見られています。

【ポイント①】答える内容は「仕事」でなくてもよい

この質問に対しては、必ずしも職場での経験を語る必要はありません。大切なのは、そのエピソードを通じて「応募先ポジションに求められるスキル」が伝わるかどうかです。

たとえば:

  • 学生時代の研究活動やゼミ運営
  • アルバイト先での業務改善
  • ボランティアや地域活動での調整経験
  • 育児や介護など、生活の中で得たスキル

これらの経験であっても、目標設定・課題への対応・周囲との連携・成果が語れるなら、立派なエピソードになります。

【ポイント②】職種ごとに求められるスキルを意識する

エピソード選びの際には、「そのポジションで求められる能力」が伝わるかを意識することが重要です。

職種・ポジション求められる要素答えるべき課題例
リーダー職統率力、意思決定、調整力困難なチーム運営や対立の解消経験
エンジニア職論理的思考、粘り強さ技術的障害への対応・未経験技術の導入
カスタマーサポート共感力、クレーム対応難しい顧客対応の乗り越え経験
事務・管理職正確さ、業務効率化業務プロセス改善の提案・実行

【ポイント③】回答は「STAR法」で整理すると伝わりやすい

経験をただ話すだけでは、相手に伝わりにくいもの。そこでおすすめなのが「STARフレームワーク」です。

フェーズ内容
S(Situation)どんな背景や状況だったか?
T(Task)その中で自分が果たすべき役割や課題は何だったか?
A(Action)どんな工夫や行動を取ったか?
R(Result)その結果どうなり、自分は何を学んだか?

この構成に沿って話すと、論理的かつ印象に残る話し方になります。

良い回答例

質問:これまでに直面した最大の課題は何ですか?

回答:
前職では、開発チームのリーダーとして新サービスのリリースを担当していました。ところが、スケジュールがタイトで、要件定義が不十分なまま開発が進んでいたため、途中で仕様変更が相次ぎ、メンバーの士気も低下していきました(S)。

私はまず、状況を整理するためにクライアントと再度要件を明確にし、社内チームとも開発優先順位の見直しを行いました(T)。また、毎朝10分の短い朝会を導入し、進捗の可視化と心理的安全性の確保に努めました(A)。
結果として、納期内に品質を確保したリリースができただけでなく、以後チーム内での情報共有文化が定着するきっかけにもなりました。この経験を通じて、リーダーとして「構造的な問題に気づき、行動に移す力」の大切さを学びました(R)。

質問:これまでに直面した最大の課題は何ですか?

回答:
前職では、営業部門をサポートする事務職として、月末の請求書発行業務を担当していました(S)。当時は依頼書のフォーマットが部署ごとに異なり、情報が不足していたり、確認に時間がかかることが多く、月末になると毎回大量の差し戻しが発生し、作業が深夜までずれ込むこともありました(T)。

私はその状況を改善するために、営業担当ごとに提出状況を一覧で可視化する「チェックシート」を自作し、共有ドライブ上でリアルタイムで確認できるようにしました。また、抜けが多かった項目に関してはテンプレート化し、事前の説明会も実施しました(A)。

その結果、差し戻しの件数は半減し、請求書発行が2営業日早く完了するようになりました。営業部門からも「業務が前倒しで進められるようになった」と好評をいただき、会社全体でこのテンプレートが標準化されました(R)。
この経験を通じて、小さな工夫でもチーム全体の効率を大きく改善できること、そして情報を整える力が事務職にとって重要であることを学びました。

NG例とその理由

「残業が多くて大変だったことです。気合いで乗り越えました。」

このような回答は、

  • 課題が曖昧(具体性がない)
  • 行動が「気合い」だけで非論理的
  • 学びや成長が語られていない

といった理由で評価されづらい典型例です。

【まとめ】課題を通じて、スキルと価値観を伝えよう

「最大の課題」という質問は、あなたが単なる“問題に直面した人”ではなく、“それをどう乗り越えた人なのか”を語る場です。

そして、あなたがそのポジションにふさわしい人材であると面接官に印象づけるチャンスでもあります。

以下を意識して準備しましょう:

  • 課題は、仕事に限らず学生生活や家庭、ボランティアでもOK
  • ポジションで求められる能力に沿った経験を選ぶ
  • STAR法で構造的に整理する
  • 「何を学び、どう成長したか」で締めくくる

✅ 最後に:今すぐできる準備法

  • 自分が「達成感を得た経験」を3つほど紙に書き出す
  • それぞれに「課題→行動→結果→学び」を添えてみる
  • 職種ごとのスキル要件と照らし合わせてみる

この練習をしておくと、面接のどんな質問にも一貫した説得力で臨めるようになります。